【2019年度版】IoT企業 資金調達額ランキング

IoT関連の市場規模は増大

IoT関連市場は、AI市場とならんで今後もっとも成長が期待されている市場の一つです。

IT専門調査会社のIDC Japanによると、2018年時点でIoT関連市場は6.3兆円であったのに対し、2020年度には8.4兆円、2022年度には10.7兆円にまで成長するといいます。

今回は、今後成長が見込まれるIoT市場に参入している、 国内のIoTベンチャー企業をまとめました。

資金調達額別にランキングとして整理したので、ぜひご活用ください。

国内IoT企業 資金調達額ランキングTOP10

投資家向けのベンチャー企業情報サイトSTARTUP DBを参考に、IoT企業の資金調達額ランキングを作成しました。

※額が公開されている資金調達の累計値を算出しています。資金調達額非公開の出資がある場合は、累計資金調達額の語尾に”以上”をつけました。このランキングは2019年度5月時点のものです。

【1位】WHILL

WHILLは、車いすの自動運転システムなどを開発している企業です。

空港や商業施設などでの車いすシェアリングを想定した技術で、乗り捨てた車いすが自動で待機場所に戻る仕組みなどを搭載しているといいます。

2020年度をめどに公道での実用化を目指しているようです。

会社名WHILL株式会社
累計資金調達額81億円以上
事業内容パーソナルモビリティの生産・販売
代表名杉江 理
設立年2014年
出資元・open network lab
・500 Startups
・DGインキュベーション など
会社HPhttps://whill.jp/

【2位】ABEJA

ABEJAは、小売店向けの店舗解析サービス「ABEJA Insight for Retail」などを提供している企業です。

小売店に搭載したカメラから消費者の行動データを取得し、分析することによって経営課題の特定などを行います。

従来の技術では可視化・指標化が難しかった消費者行動も、独自のディープラーニング技術などを用いることで、数値化することが可能になるといいます。

会社名株式会社ABEJA
累計資金調達額60億円以上
事業内容人工知能を活用した店舗解析サービス「ABEJA Insight for Retail」 など
代表名岡田 陽介
設立年2012年
出資元・NTTドコモ・ベンチャーズ
・セールスフォース・ドットコム
・Google など
会社HPhttps://abejainc.com/ja/

【3位】ソラコム

ソラコムは、MVNO事業者としてデータ通信SIMを提供するIoTプラットフォーム企業です。

MVNO事業者とは、「仮想移動体通信事業者」の略でドコモ、au、ソフトバンク以外の携帯電話サービス会社のことをさします。

ソラコムが提供するSIMカードはスマートフォン用ではなく、各IoTデバイスに最適化されたSIMと料金形態であるという特徴があります。

会社名株式会社ソラコム
累計資金調達額38億円
事業内容IoTデバイスに最適化した通信プラットフォームの提供など
代表名玉川憲
設立年2014年
出資元・Pavilion Capitail
・三井物産
・スパークス・グループ など
会社HPhttps://soracom.jp/

【4位】ミツフジ

ミツフジは、もともと京都・西陣で西陣織工場として起業され、繊維業の技術・ノウハウとIoT技術を組み合わせたhamonを提供する企業です。

人体の正確な情報をIoTによって収集するため、導電性に優れた銀メッキ繊維をシャツの内側に電極として織り込んでいるといいます。

IoTは次のステージへ。 ミツフジとIBMが狙うInternet of Bodies新戦略 – IBM Industries

会社名ミツフジ株式会社
累計資金調達額32億円
事業内容ウェアラブルIoT hamon®製品の開発・製造・販売 など
代表名三寺 歩
設立年1979年
出資元・アトラ
・カジナイロン
・三菱UFJキャピタル など
会社HPhttps://www.mitsufuji.co.jp/

【5位】ZMP

ZMPは、自動運転技術やロボット開発を研究するベンチャー企業であり、ソニーとも提携しています。

コマツやインテルからの出資も受けており、DeNAとの業務提携をしていたこともあったようです。

2016年度に東証マザーズ市場へ上場していましたが、情報流出事件を受けて、上場取りやめとなっています。

会社名株式会社ZMP
累計資金調達額25億円以上
事業内容 ADAS(先進運転支援)、自動運転技術開発用プラットフォームRoboCarシリーズ及びセンサ・システムの開発・販売など
代表名谷口恒
設立年2001年
出資元・イノベーション・エンジン
・三井住友海上キャピタル
・SBIインベストメント など
会社HPhttps://www.zmp.co.jp/

【6位】Global Mobility Service

Global Mobility Serviceは、Mobility×IoT×Fintechを事業ドメインとする、2013年設立のベンチャー企業です。

独自開発のIoT技術として、あらゆるモビリティの遠隔起動制御・情報センシングを実現するIoTデバイス「MCCS(Mobility-Cloud Connecting System)」、各種IoTデバイスを仮想化して受け入れデータ収集・分析・解析を可能にし、業界を横断したデータ連携を実現するOpen APIを実装した「モビリティサービスプラットフォーム(MSPF)」があります。

会社名Global Mobility Service 株式会社
累計資金調達額88億円以上
事業内容IoT技術を活用したボビリティサービスプラットフォームサービスなど
代表名中島 徳至
設立年2013年
出資元・SBIホールディングス
・クレディセゾン
・グロービス・キャピタル・パートナーズ など
会社HPhttps://www.global-mobility-service.com/index.html

【7位】スカイディスク

スカイディスクは、製造業向けのAI・IoTサービスを提供している企業です。

スマートフォンのマイク機能を使って取得した「音」から設備機器の異常診断ができる「スマート聴診棒」など、製造現場の生産性を向上させるためのサービス提供しています。

会社名株式会社スカイディスク
累計資金調達額17億円以上
事業内容AI×IoTサービスの提供など
代表名橋本 司
設立年2013年
出資元・アーキタイプベンチャーズ
・ドーガン・ベータ
・ニッセイ・キャピタル など
会社HPhttps://skydisc.jp/

【8位】トリプル・ダブリュー・ジャパン

トリプル・ダブリュー・ジャパンは、世界初の排泄予知デバイス「DFree(ディーフリー)」を開発している企業です。

独自のIoT機器から膀胱の膨らむを超音波で計測し、膨らみ状態を数値で表示し、トイレのタイミングをアプリで知らせるシステムとなっているようです。

会社名トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社
累計資金調達額19億円以上
事業内容排泄の悩みや負担を軽減するソリューション『DFree』の企画・開発・販売
代表名中西 敦士
設立年2015年
出資元・iSGSインベストメントワークス
・ニッセイ・キャピタル
・ハックベンチャーズ など
会社HPhttps://www-biz.co/

【9位】アプトポット

アプトポットは、産業IoTミドルウェア/サービス製品の開発・提供を行っている企業です。

2019年には、スマートフォンカメラなどを利用したデータ収集アプリ「Visual M2M Motion」などの新製品を発表しています。

Visual M2M Motionを使うと、自動車の車内にスマホを固定するだけで、カメラなどを使ったデータ収集によって車両挙動の把握や動画の収集を簡単に行うことができるようになるといいます。

会社名株式会社アプトポッド
累計資金調達額14億円以上
事業内容M2M/IoT関連ソフトウェア企画開発/販売 など
代表名坂元 淳一
設立年2006年
出資元・サイバートラスト
・SBIインベストメント
・SMBCベンチャーキャピタル など
会社HPhttps://www.aptpod.co.jp/

【10位】フォトシンス

フォトシンスは、スマートロック「Akerun Pro」や「Akerun入退管理システム」の開発・提供などを行っている企業です。

2018年には、NECの顔認証技術と連携して「Akeru Pro」の開錠が顔認識で行えるようになりました。

会社名株式会社 Photosynth (フォトシンス) 
累計資金調達額14.5億円
事業内容スマートロック「Akerun Pro」と「Akerun入退室管理システム」の開発・提供など
代表名河瀬航大
設立年2014年
出資元・GaiaX Global Marketing &Ventures
・YJキャピタル
・ジャフコ など
会社HPhttps://photosynth.co.jp/

国内IoT企業 資金調達の総括

IoT領域にも、今後の活躍が見込まれるベンチャー企業が数多くあります。

日本のIoT産業が発展して行くことが期待されます。