国内のAI関連市場は急拡大
AIビジネス市場は今後もっとも成長が期待されている市場の一つです。
リサーチ会社の富士キメラ総研によると、2016年時点でAIビジネスの国内市場が2,704億円であったのに対し、2021年度には1兆1,030億円、2030年度には2兆250億円にまで成長するといいます。
今回は、成長が見込まれるAI市場に参入している、国内のベンチャー企業をまとめました。
資金調達額別にランキングとして整理したので、ぜひご活用ください。
国内AI企業 資金調達額ランキングTOP10
投資家向けのベンチャー企業情報サイトSTARTUP DBを参考に、AI企業の資金調達額ランキングを作成しました。
※額が公開されている資金調達の累計値を算出しています。資金調達額非公開の出資がある場合は、累計資金調達額の語尾に”以上”をつけました。このランキングは2019年度4月時点のものです。
【1位】ワークスアプリケーションズ
ワークスアプリケーションズはもともと上場企業でしたが、独自のシステム投資や人材投資を目的として、2011年に非上場化をしました。
HUEなど最先端のAI技術を駆使したERPパッケージの国内ITベンダーとして注目されています。
会社名 | 株式会社ワークスアプリケーションズ |
累計資金調達額 | 157億円以上 |
事業内容 | 大手企業向けERPパッケージソフト「HUE」および「COMPANY」の開発・販売・サポート |
代表名 | 牧野 正幸 |
設立年 | 1996年 |
出資元 | ・グロービス・キャピタル・パートナーズ ・ACA Investments |
会社HP | https://www.worksap.co.jp/ |
【2位】Preferred Networks
評価額10億ドル以上の非上場、設立10年以内のベンチャー企業は、その希少性からユニコーン企業と呼ばれます。
日本ではユニコーン企業は3社しかなく(2019年4月時点)、そのうちの一つがPreferred Networksです。
Preferred Networksは、日本最大級のAI関連のベンチャー企業であり、想定時価総額は2,484.6億円であるといわれています。
その技術力の高さから、トヨタ自動車、ファナック、国立がん研究センターなどと協業した取り組みを推進しており、オープンソースの深層学習フレームワークChainerの開発・提供なども行なっています。
会社名 | 株式会社Preferred Networks |
累計資金調達額 | 155億円 |
事業内容 | 交通システム、製造業、バイオ・ヘルスケア領域を重点とした深層学習技術のビジネス活用 |
代表名 | 西川徹 |
設立年 | 2014年 |
出資元 | ・日本電信電話 ・ファナック ・トヨタ自動車 など |
会社HP | https://www.preferred-networks.jp/ja/ |
【3位】ウェルスナビ
ウェルスナビは、個人向けのロボアドバイザーによる資産運用サービスを提供しています。
創業者であり代表を務める柴山氏は、財務省出身です。
会社名 | ウェルスナビ株式会社 |
累計資金調達額 | 106.5億円以上 |
事業内容 | ロボアドバイザーによる資産運用事業 |
代表名 | 柴山 和久 |
設立年 | 2015年 |
出資元 | ・インフィニティ・ベンチャーズ ・SMBCベンチャーキャピタル ・DBJキャピタル など |
会社HP | https://www.wealthnavi.com/https://www.wealthnavi.com/ |
【4位】スマートニュース
スマートニュースは、ニュースアプリである「SmartNews」の開発・運営を行なっている企業です。
2019年1月には、アプリの日米ダウンロード数は4,000万件を突破しました。
会社名 | スマートニュース株式会社 |
累計資金調達額 | 90.2億円 |
事業内容 | スマートフォンアプリケーション/インターネットサービスの開発・運営 |
代表名 | 鈴木 健 浜本 階生 |
設立年 | 2012年 |
出資元 | ・グロービス・キャピタル・パートナーズ ・Atomico ・グリー |
会社HP | http://about.smartnews.com/ja/ |
【5位】GROOVE X
GROOVE Xは、孫正義後継者育成プログラム「ソフトバンクアカデミア」の外部第一期生であり、「Pepper(ペッパー)」のプロジェクトメンバーでもあった林要氏が創業したベンチャー企業です。
ヒューマノイドロボットの「LOVOT(ラボット)」の開発事業を行なっています。
会社名 | GROOVE X 株式会社 |
累計資金調達額 | 78.5億円 |
事業内容 | LOVEをはぐくむ家族型ロボット「LOVOT(ラボット)」開発事業 |
代表名 | 林要 |
設立年 | 2015年 |
出資元 | ・INCJ ・Amtran Technology ・Global Catalyst Partners Japan など |
会社HP | https://groove-x.com/ |
【6位】ABEJA
ABEJAは、ディープラーニングを活用したAIの社会実装事業を展開しています。
ディープラーニング技術を利用した様々な大量データの取得、蓄積、学習、デプロイ、推論・再学習を行うPaaS(Platform as a Service)技術「ABEJA Platform」を提供し、150社以上において本番運用を実現しているようです。
2018年にはGoogleなどを新規引受先とした第三者割当増資を行なっています。
会社名 | 株式会社ABEJA |
累計資金調達額 | 60億円以上 |
事業内容 | AIプラットフォーム事業「ABEJA Platform」など |
代表名 | 岡田 陽介 |
設立年 | 2012年 |
出資元 | ・NTTドコモ・ベンチャーズ ・セールスフォース・ドットコム ・Google など |
会社HP | https://abejainc.com/ja/ |
【7位】エルピクセル
エルピクセルは、医療・製薬・農業といったライフサイエンス領域の画像処理ソリューションを開発する東大発ベンチャーです。
2018年10月には、AI活用の医療画像診断支援技術「EIRL(エイル)」の開発などを目的として、総額で約30億円の資金調達を実施しました。
東京大学や国立がんセンターなどの医療機関とタッグを組んで、人工知能を活用した画像診断支援技術・ソフトウェアの開発を行なっているといいます。
会社名 | エルピクセル株式会社 |
累計資金調達額 | 37億円以上 |
事業内容 | 医療用AI支援事業など |
代表名 | 島原 佑基 |
設立年 | 2014年 |
出資元 | ・グローバル・ブレイン ・Mistletoe ・キヤノンメディカルシステムズ など |
会社HP | https://lpixel.net/ |
【8位】Kaizen Platform
Kaizen Platformは、リクルートマーケティングパートナーズにおいて最年少執行役員として活躍した須藤憲司氏が、アメリカ・カリフォルニア州にて2013年に創業した会社です。
ウェブサイトの収益向上支援、動画広告の改善などのサービスを提供しています。
FacebookとInstagramのマーケティングパートナー認定も取得しているようです。
会社名 | 株式会社Kaizen Platform |
累計資金調達額 | 31.4億円以上 |
事業内容 | ウェブマーケティングプラットフォームの提供 |
代表名 | 須藤 憲司 |
設立年 | 2017年 |
出資元 | ・GMO Venture Partners ・グリーベンチャーズ ・大日本印刷 |
会社HP | https://kaizenplatform.com/ |
【9位】パネイル
パネイルは、Preferred Networksと同じく、国内のユニコーン企業の一つです。
電力管理システムの開発などを行なっており、電力流通コストを大幅に削減する「Panair Cloud」にはAIとBigDataが活用されているといいます。
会社名 | 株式会社パネイル |
累計資金調達額 | 31.1億円 |
事業内容 | 次世代型エネルギー流通基幹システム「パネイルクラウド(Panair Cloud)」の運営開発など |
代表名 | 名越 達彦 |
設立年 | 2012年 |
出資元 | ・DGインキュベーション ・SMBCベンチャーキャピタル ・みずほキャピタル |
会社HP | https://corp.panair.jp/ |
【10位】シナモン
ネイキッドテクノロジー社をmixiに売却した経験を持つ、シリアルアントレプレナーの平野未来氏によって設立された会社です。
シナモンは、2012年にシンガポールで設立され、翌年にはタイに活動拠点が移動されています。
2019年1月には、SBIインベストメント、未来創生ファンドなどから15億円を調達しており、今後は海外でのAIプロダクト開発などを推し進めるといいます。
会社名 | 株式会社シナモン |
累計資金調達額 | 25.5億円 |
事業内容 | 自然言語処理の技術を活用したコールセンター向け音声認識システム 「Rossa Voice(ロッサ ボイス) 」など |
代表名 | 平野 未来 |
設立年 | 2016年 |
出資元 | ・マネーフォワード ・Golden Gate Ventures ・D4V など |
会社HP | http://cinnamon.is/ |
国内AI企業 資金調達の総括
国内からも、成長が期待されるAIベンチャー企業が次々と誕生しています。
日本のAI産業が今後、発展していくことを期待します。