デジタル地図関連のサービスを提供するNTT空間情報株式会社は、2018年11月9日、地図 Web アプリ開発支援ツール「GEOSPACE API」の新機能の提供を開始しました。
「GEOSPACE API」は、詳細地図や航空写真などの地図コンテンツの機能を提供するAPIです。
「GEOSPACE API」で利用できる機能は、地図画像取得、二点間距離の算出、住所検索、最寄り駅検索、歩行者ルート検索、他言語地図などがありました。
「GEOSPACE API」の地図コンテンツは、NTTグループが電柱、鉄塔、電線などを整備し通信インフラを整えるために集めた地図・地形写真のデータがもとになっているといいます。
「GEOSPACE API」の地図コンテンツは、地図の精度・鮮度・エリアのカバー率が高いと言えます。
以下、NTT空間情報のプレスリリースからの引用です。
詳細地図は、山間部や離島などを含む日本国土全域(約 38 万㎢)をカバーしており、
道路、空港などの公共物や大規模商業施設約 500 件の建物住所情報を毎月更新しています。
また、航空写真は、地上解像度 25cm(都心部は 16cm)の高解像度と広いカバレッジ
(日本国土全域の約 88%)を有しています。
新しく提供が開始された「GEOSPACE API」の機能は、大きく分けて以下の3つです。
- 外部情報の地図重畳表示機能
- 一方通行規制の条件指定検索
- 経由地でのUターン回避の条件指定検索
外部情報の地図重畳表示機能では、電子地図、航空写真、衛星画像など2つの地図の透明度を変えて重ね合わせ表示をすることができます。
一方通行規制の条件指定検索の機能では、一方通行規制を考慮したルート検索条件が指定できます。
経由地でのUターン回避の条件指定検索の機能では、経由地でのUターン回避を考慮したルート検索条件が指定できます。
NTT空間情報が発表している「GEOSPACE API」の利用想定シーンは
- 物流分野
- 観光分野
- 交通分野
- 自治体/建設分野
です。
物流分野では、大型トラックの配送管理・ルート検索・運送経路図作成など、動態管理支援システムの開発への利用が想定されています。
観光分野では、訪日外国人向けの他言語地図や経路検索サービスへの利用が想定されています。
交通分野では、バス・タクシーなどが対象の運行管理システム・位置情報サービスの構築への利用が想定されています。
自治体/建設分野では、避難マップや迂回路情報などのWebサービスへの利用が想定されています。
「GEOSPACE API」は有償のサービスであり、初期費用が325,000円、年間の基本利用料が端末一台あたり650,000円です(いずれも税別)。
地図関連のAPIは、今後さらに重要になってくると思います。
EC市場が大きく成長しているため、物流分野の業務効率化の重要性はさらに高まっていくことが考えられます。
より精度や利便性の高い地図サービス・運送システムの構築が必要になります。
訪日外国人の数は年々増加し、それによって国内の観光産業は成長しています。
多言語に対応する、外国人向けの地図サービスの需要は高まるでしょう。
バス・タクシーなどの交通業界は慢性的に人手不足であり、地図サービスを活用したシステムで業務の効率化を図る必要があります。
地震などの災害が多い日本では、避難用の地図サービスを高い精度・利便性で整備しなければなりません。
今回取り上げた「GEOSPACE API」は有償のサービスですが、有償のAPIにも利便性が高いものが多いです。
どんなものかわからないAPIのために料金を支払うのは、多くの開発者の方にとって抵抗があるかと思います。
有償利用のAPIでも、多くの場合、無料での試用体験期間が設けられています。
「GEOSPACE API」にも30日間の無料トライアルがあります。
有償であれば必ずしもサービスがいいとは言い切れませんが、より良いサービスを構築するため、有償のAPIを積極的に試して、活用していくのもいいかもしれません。
地図Webアプリ開発支援ツール「GEOSPACE API」に新機能を追加 - bp-Affairs