あらゆるIoTデバイスのネットワーク接続に向けて ARM社がネットワーク接続機器のセキュリティ機能実装を支援するAPIを発表

Arm社は2018年10月17日、「Platform Security Architecture(PSA)」の実装環境の開発を支援するAPI群とテストキットを公開しました。

Arm社はIoTデバイスに実装されるプロセッサコアの設計を担う企業で、2014~2017年の約4年間に約500億個も出荷されています。

Arm社を買収したソフトバンク会長の孫正義氏は、2035年までに1兆個のIoTデバイスをネットワーク接続する方針を表明しており、これに対しArm社のエル・ハーレイ氏は、2017年には次のように語っていました。

「このように増加を続けるチップがIoTデバイスに用いられていくことを考えると、そのセキュリティを確保することは極めて重要だ。その一方で、多様な形態をとり用途もさまざまなIoTデバイスのセキュリティを1つの方法で対応するのは難しい」

このような経緯から、Arm社は、ネットワーク接続機器のセキュリティ保護のための業界共通のフレームワークとして「Platform Security Architecture(PSA)」を提唱しました。PSAは、セキュリティ対策には分析、設計、実装の3段階が必要であるとしています。

今回発表したAPIおよびAPIテストキットも、リアルタイムOSベンダーやソフトウェア開発者向けの「PSA Developer API」、セキュア機能開発者向けの「PSA Firmware Framework API」、チップベンダー向け「Trusted Base System Architecture(TBSA-M)Architecture Test Kit」と、3段階それぞれに対応したものとなっています。

また同社は、AIを活用したサイバー攻撃対策プラットフォームを提供するサイバーリーズン社との協業についても発表しています。

「Pelion IoT Platform」にサイバーリーズンのAIハンティングエンジンを実装して、サイバー攻撃からの保護機能を強化することが狙いです。これにより、数十億ものIoTデバイスで動作可能なサイバーセキュリティソリューションが実現する見込みです。

IoT機器へのセキュリティ機能実装を支援するAPIを発表 – MONOist(モノイスト)

Armのベストプラクティスを集積、「PSA」はIoTセキュリティの共通基盤となるか – MONOist(モノイスト)