6月11日から「Google Maps API」の料金・仕様などが大幅変更 APIキーの設定が必須に

多くの開発者が活用している「Google Maps API」が、2018年6月11日(日本時間6月12日)から大きく変わっています。

同APIは、これまで18種類に分かれていましたが、今回の仕様変更によりMaps、Routes、Placesの3種類集約されます。これに伴って、次の機能が新たに追加されるようです。

  • Place Detailsリクエスト(JavaScript、Web Service)に新たなfieldsパラメータが追加
  • テキスト入力から要求された場所データを返すFind Place(Web Service)機能が追加
  • プレイライブラリ、マップJavaScriptAPIで、建物名や住所、電話番号に基づいて場所データを返す2種類の検索リストが追加

また注目すべき点は、「6月11日からAPIキーを必ず設定することが必要になる」ということです。

今回の統合・仕様変更により、APIキーなしのリクエストが完全に廃止されます。

これにより、これまでAPIキーなしで表示できていた地図も、新たにAPIキーなしで地図を表示させようとする場合も、地図上にグレーのフィルターがかかってしまいます。

また、地図の表示以外のAPIでは、APIキーなしだとエラーになる可能性が高いとのこと。

同APIを利用したサイトのウェブ担当者や制作会社は、ただちにAPIキーが設定されているか確認したほうがよいでしょう。APIキーの設定状況の確認方法についてはGoogle Maps Platformに紹介されています。

Google Maps Platform 価格

料金面でも、これまで「Google Maps APIs Premium Plan」(有償版)と「Google Maps APIs Standard Plan」(無償版)に分かれていたものが、「Google Maps Platform」に統合されます。

APIごとに単価は異なるものの、基本的には「ユーザーが使った分だけ支払う」といった料金体系になります。詳細については、Google Maps Platformから確認できます。

これにともなって、それぞれのプランの契約者は、今後継続利用するために下記の手続きが必要になります。

Google Maps Platform Premium Plan(有償版)

2018年9月以降で既存の契約が満了する際、Google Maps Platformへ自動的に移行され、特にユーザー側で変更の必要はないようです。ただし、Google Mapsパートナーとの契約内容や、価格、利用規約などが変更される可能性があるため、Google Mapsパートナーに確認されることをおすすめします。

Google Maps Platform Standard Plan(無償版)

自身でクレジットカードを移行を行う方法、もしくはGoogle Mapsパートナーに契約代行を依頼する方法があります。ご自身で移行を行う場合は、現在APIキーを設定しているかどうかによって手順が変わるとのこと。こちらも詳しくはGoogle Maps Platformに紹介されています。手順に従って登録を進めましょう。

移行後はすべてのアカウントで、毎月200USドル分を無償で利用することができます。

ただしこれまでStandard Plan(無償版)を利用していた開発者にとっては無償枠が大幅に減少することになります。

例えばMaps JavaScript APIを利用している場合、これまでは1日2万5000リクエストが無償だったのに対し、変更後は1日平均933リクエストまで減少します。無償分を超えた場合APIのリクエストがエラーとなるため、もし利用料金をかけたくないということであれば、利用量を制限することもできます。

なお、この料金体系は7月16日以降に適用され、7月16日までは現行の料金体系のまま新たな機能などを利用することができます。

6月11日以降、Google Maps APIによる地図表示が薄暗くなる/エラーになるケースも――「Google Maps Platform」移行でいったい何が変わる? 利用者は、APIキーと課金設定の確認を – INTERNET Watch

Google Cloud Platform Japan 公式ブログ: Google Maps Platform 利用に必要な設定について