ゼンリンデータコムの地図サービス「いつもNAVI API」の裏側を聞いてみた

右から株式会社ゼンリンデータコム 黒川様、中島様、岡様
弊社(AOSテクノロジーズ株式会社) 丸山、鳴海

目次

  1. いつもNAVI APIでは何ができるの?
  2. APIの利用契約はどのように行われますか?
  3. APIを契約される方はどのような方が多いですか?
  4. 地図データAPIができるまで
  5. アジャイル開発のように柔軟な開発体制は理想ですが、難しい側面もあると思います。どのように対応されているのでしょうか?
  6. 開発部門として気をつけていることはありますか?
  7. 顧客ニーズを開発に反映するときに重要なポイントは何でしょうか?
  8. 今後の展望
  9. 今日は、普段知らなかったとても貴重なお話を伺えました。ありがとうございました。

いつもNAVI APIでは何ができるの?

どのようなAPIなのでしょうか?

いつもNAVIは、ゼンリンの地図データを活用し、さまざまなインターネット上の地図サービスを提供しています。
主な機能としては下記です。

  • 地図データの提供。拡大やズームなど含む
  • 歩行者や自動車のルート探索の機能
  • 住所などから地図データの検索

他にもユーザー様に活用してもらいやすいように、3D地図などさまざまなAPIを提供しています。

多くの企業にゼンリンの地図データを提供しており、その地図データを元に各社独自の地図サービスを構築・API化されています。
日本で地図を活用されているサービスは、ほとんどゼンリングループのデータを使っていると思います。

地図サービスを提供しているサービスは自社で地図データを作っていると思っていました。意外です。

私たちは、多くの企業に地図データを提供しています。
その基本データを使って、各社で独自のサービスを構築されています。
例えば我々ゼンリンの地図データの上に、電車の乗り換え案内機能を追加するなど独自の地図サービスを提供されています。

他にはどのような活用事例がありますか?

小売・飲食・不動産・金融業界など多種多様な業種で店舗案内や物件管理のサービスに採用されています。地図や位置情報を活用したイントラシステムの構築、また、地図を活用した位置情報ゲームなど事例は多岐に渡ります。

数多くのサイトの店舗案内などでも活用されていますね。
自社で管理している顧客情報とゼンリンの地図データを合わせて、営業活動をスムーズに行うことができるようにしたり、潜在顧客の発掘のため視覚化をさせたり、営業支援システムなど社内システムの裏側でも多く活用されています。

いつもNAVI APIの主な特徴を教えてください。

いつもNAVI APIの特徴として、エンジニアが絶えず新しいAPIをリリースしたり、バージョンアップさせたりしていることが挙げられます。
例えば、各種コンテンツプロバイダと連携して、地図とグルメ情報を組み合わせて情報を取得できたり、多言語情報に対応させたり、随時新しい情報とAPIを提供しています。
企業さまがよりスピーディーに開発できるよう、地図以上の機能を有するAPIを提供しているのが特徴ですね。

APIの利用契約はどのように行われますか?

Webサイトからお問い合わせをいただき、弊社の営業より詳細なお打ち合わせのためにご連絡をしています。
https://www.zenrin-datacom.net/business/develop/flow.html

一般的には、アプリケーションを作成したい企業さまから直接お問い合わせをいただくケースが多いですね。  他にも、システムインテグレーターさんや制作会社さんが間に入ってお問い合わせをいただくこともあります。
APIの提供だけではなく、直接開発を委託される場合もあり、その場合はカスタムで開発も行います。
またこのようなお問い合わせをいただくことで、企業さまが求めている情報やニーズが把握できます。そのニーズにあわせて定期的に新機能を追加しています。

APIを契約される方はどのような方が多いですか?

法人がほとんどですね。個人の場合は費用の問題で難しいかもしれません。

地図データAPIができるまで

精度の高い地図データの作成方法について教えてください。

地図情報の作成はゼンリン社になります。ずっと地図の作成をしてきました。
今でも1日あたり、全国で約1,000人の調査スタッフが綿密な調査プランに基づいて地図データを作成しています。ビルの入居者なども目視で確認し、精度を高めています。

最初に電子化されるのは大変だったのではないですか?

ゼンリンデータコムが設立されたのは2000年4月なのですが、その理由にも電子化が関わっています。
最初のサービスは携帯地図サービスやガラケーのアプリ向けでした。
保有している紙の地図データを電子化しデータベースに蓄積して使ってもらうためにも体制を敷いてやっていく必要があったわけで、やはり苦労はありました。

API提供を始められたのはいつからですか。またなぜでしょうか?

APIの提供を始めたのは2006年6月なので、比較的早いといえるかもしれません。
理由はインターネット配信の地図が拡がり始め、APIがあった方がよいだろうという考えに至ったからです。
当社は設立当初もそうですが、顧客ニーズにあわせて、柔軟に開発していく姿勢をもっていると思います。

アジャイル開発のように柔軟な開発体制は理想ですが、難しい側面もあると思います。どのように対応されているのでしょうか?

まず営業が把握している顧客ニーズを定期的にキャッチアップする仕組みがあります。
週一回、営業・企画・開発の10名ずつが会議に参加し、意見を出し合っていきます。

営業部門が顧客窓口になっていて、技術的なサポートを求められた場合はAPI開発部門が対応するという体制もできていますね。

開発部門として気をつけていることはありますか?

まずサービスの鮮度が大切なことを意識しています。
営業から「顧客が求めているのでこのタイミングで出さないといけない」と言われますし、それは自分たちにとっても重要なので、開発にはスピード感が求められます。
一方で地図サービスなので、間違いがあってはいけません。
つまり短納期で高品質が求められているわけです。
このような要求に対応するために、年間のスケジュールを立てて開発しています。
新規開発するサービスは、だいたい年間で大分類で5,6本くらい。小分類だと600くらいあります。それに対応できるように体制を敷いています。

顧客ニーズを開発に反映するときに重要なポイントは何でしょうか?

開発者目線ではなく、使い側の視点をもって開発することが重要だと感じています。
開発者目線だと、スピードの兼ね合いなども考えて、つい開発しやすいものを作ってしまいます。でも、それが使いやすいかというと話は別です。
開発のしやすさと使いやすさとマッチさせることで、結局、トータルの開発スピードを速くすることができます。
そのために、営業からのフィードバックやお問い合わせの棚卸しをしています。
なぜこのお問い合わせが発生したのかを深く考えることで、さまざまな対策をとれるようになってきます。
マニュアルだけではわかりづらいAPIの挙動がわかるラボサイトを作ったのもその一環です。

▼いつもNAVI ラボ
https://lab.its-mo.com/

今後の展望

今後の新しいサービスについて教えてください。

この春にいつもNAVIの新しいバージョン3.0がリリースされ、移行ガイドもご用意しています。
ぜひ先ほどのラボサイトも見てもらえたらと思います。

▼いつもNAVI ラボ
https://lab.its-mo.com/

ハッカソンなどにも定期的に協力されていますが、今後はいかがですか?

ハッカソンは今後もぜひ参加していきたいですね。
ハッカソンに参加される方はスキルが高いと感じています。そういった場に我々がでることで、スピード感を感じたり、使ってもらった感想を聞けたり、開発の方と情報交換ができます。
今はだいたいゼンリンドットコムが協賛になっていて、他企業と一緒にAPIを提供するというのが多いですが、今後は自社APIの勉強会なども開催していきたいですね。

今後どのようなユーザーにAPIを使ってもらいたいですか。

例えば、災害を意識をしたものなどは嬉しいですね。
実は開発の岡は東北出身で、3.11の地震の時には実家が被災しています。
ゼンリンデータコムでは防災マップも作っています。避難所データマップなどをうまく活用し、災害時の対策をとれるようなものが出てくれたら嬉しいと思っています。

最後に、今後の展望について教えてください

先ほどの防災マップの件でもそうですが、ゼンリンデータコム社は、日本の地図データを預かるインフラ会社の側面もあると自負しています。
そういう意味でも、日本の企業にAPIを通じてデータを提供することで、より多くのサービスが生まれ、日本の皆さんがより便利で快適なくらしを手に入れられるようになっていけたら良いと思っています。
そのために、私たちは日々開発を続け、より開発者の方にとって便利で使いやすいサービスにしていきたいと考えています。

今日は、普段知らなかったとても貴重なお話を伺えました。ありがとうございました。

ありがとうございました。

この記事を書いた人: APIbank編集部

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